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CULTURE 3
「シンプルな世界」と「口頭伝承文化」
「口頭伝承文化」
わかりやすく言うと
「文字を持たずに言葉で文化を継承していく」
部族によって違うが絵文字のようなものは持っていて
大まかな歴史の記録は残っている。
「シンプルな世界」では当然
必要以上のことはする必要がない。
食って、生んで、眠る(死を含む)。
仕事はなく、必要な分の獲物を捕りにいく。
「そこで獲物の記録をつけたり、気候の記録をつければ、
その後の狩りの参考になるデータができる。」
などと考えたらネイティヴピープルを理解するに程遠い。
例えば僕らの世界では
レーダーを駆使して、気候を観測し、魚群を追いかけ
投網などで一網打尽に漁をする。
そうして僕らは兄弟であったはずのニシンを失った。
近代国家の中で生きることは
「大きな囲いに守られて衣食住を保証」されるようなもの。
その中では食べ物も通貨による安定供給がされることになる。
身体が覚えた現実の経験、その時点での判断力、行動力
そういったものだけで充分なのが「シンプルな世界」だ。
ある本の中でも
『欲張ってウズラを余計にもう一羽捕ろうと思うな。
その一羽が明日からのおまえの獲物を左右することになる』
正確な引用ではないが、要するに
「生態系を乱すな、生態系が乱れたら獲物を分けてもらえなくなる」
ということを言ってる。
文字を持たなかった文化は遅れた文化ではない
むしろ、文字を持たないことによって
記録することはあくまでも過去の出来事に過ぎず、
現在を大事に考える前向きな生き方にはさほど重要な意味を持たないといえる。
文字で伝えられないからには自分の目で観察したり、考えたりする能力が育つ。
「長老」や「よく知るひと」の知識が重要で、
彼等を中心としてコミュニケーションが重んじられる社会ができる。
いいことは多いと思う。
他の項でも書いた
ライターの北山耕平氏が「口頭伝承文化研究家」として寄稿している本がある。
きっともっと簡潔な答えを導いてくれるだろう。
つづく かもしれない。
CULTURE 4「パウワウ」