CULTURE 12 「トレーディングポスト」

日本では一般的でないこの言葉の意味は、
本来は店の業務形態、種類を表す。


交易所であり、
昔のアメリカのトレーディングポストは
民間の交易で利益をあげる店だった。
家財道具、刃物を始め工具類や裁縫道具、ビーズ、鉄鍋などの調理器具、食材、
店によって違っただろうが、多種多様なものを扱っていた、よろずやだ。
質屋(pawn shop=ポウンショップ)を兼ねていたところもある。


トレーディングポストにはその地域の部族の生活用品や工芸品が置かれている。
たとえば
毛皮などと交換、もしくは換金して得た現金でビーズなどの材料を入手、
加工してバッグなどを作りトレーディングポストに持ち込み買い取ってもらう。
フロンティア時代のアメリカの荒野で
インディアンが初めて物流、経済に関わった場所といえる。
やがて鉄道が敷かれ観光客がかつてインディアンのいた土地に押し寄せると
トレーディングポストは観光客向けのお土産を並べるようになった。
インディアンジュエリーを含むインディアンクラフトのコマーシャル化が始まった。


100年、トレーディングポストの多くはツーリスト向けのギフトショップに変わってきた。
ちなみにNATIVE SPIRIT Trading Post はお土産物は売っていないが
文化的な交易の場所にしたいと考えてつけた名前だ。

CULTURE 13「続 儀式」